このリーフレットは、イオン九州株式会社、マックスバリュ九州株式会社、トヨタ L&F 福岡株式会社、西部ガス株式会社からの「福岡県共助社会づくり基金」への寄付金を活用して作成しました。
- 眠れない、話すことがわずらわしい、疲れやすい等、不調を感じる方
- コロナウイルス感染症に関する自分自身や職場の不安やストレスを軽減したい方
- 自分でできる心のケアについて学びたい方
- 職場全体のコミュニケーションを活性化したい方
メンタルヘルスサポート隊では、上記のような方を対象に、メンタルヘルス不調の早期発見、未然防止に加え、ポジティブな心理状態の向上を目指した取組を実施しています。
「ストレス」とは
もともとは物理学用語で、物体の外側からかけられた圧力によって歪みが生じた状態を言います。
ストレスを風船にたとえてみると、風船を指で押さえる力をストレッサーと言い、ストレッ サーによって風船が歪んだ状態をストレス反応と言います。医学や心理学の領域では、心や体にかかる外部からの刺激をストレッサーと言い、ストレッサーに適応しようとして、心や体に生じ たさまざまな反応をストレス反応と言います。
ストレス反応は、心理面、身体面、行動面の3つに分けることができます。
自分のストレスの傾向をチェックして、自分に合った方法で対処してみましょう。
チェックが多い項目があなたのタイプです。
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- 頭痛がする
- めまいがする
- 首や肩がこる
- 気になることがあると食欲がなくなる
- お腹を壊しやすい(下痢・嘔吐)
- 便秘気味である
- 胃が痛い
- 眠れない、または途中で目が覚める
- 身体に出やすいタイプ
身体の疲れをケアしましょう- 入浴
- マッサージ
- ほど良い睡眠
など
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- 悪い未来の予想ばかりする
- 自分を卑下しがち
- 人と一緒にいるのが億劫
- 心配性である
- 楽しいと感じることが少ない
- 集中力が低下している
- なんだかやる気が出ない
- 消えてしまいたいと思う
- 気持ちが落ち込むタイプ
沈んだ気持ちをリラックスさせましょう- ペットとの触れ合い
- 自然散策
- アロマ
など
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- ささいな事でカッとなりやすい
- 最近落ち着きがない
- 衝動買いをすることがある
- 常にピリピリしている
- 自分をコントロールできない感じがある
- 思い通りにならないと気に入らない
- 他人から注意されると、無性に腹が立つ
- イライラしがちなタイプ
イライラを発散させましょう- スポーツ
- ストレッチ
- カラオケ
- 深呼吸
- その場を離れる
など
次の項目では、職場で休憩時間やトイレに行く時等に短時間でできる方法を紹介します
職場で、短い時間(3 分程度でも)できる方法を紹介します。
- リラクセーション
・筋肉の緊張を弛め、血行を促し、心身のリラックスに効果的なストレッチ…図1
・深呼吸やマッサージ…図2 - 短い時間の気分転換(なるべく何も考えず頭を空っぽにして行う=マインドフルネス)
・その場で立って目を閉じ、自分の足裏の重心を感じる、数歩足踏みする…図3
・トイレに行くなど場所や姿勢を変える ・階段を歩く - コミュニケーションの機会を作る(職場全体で)
・あいさつ・笑顔 ・認める・褒める ・視線や表情・身振りやメモで伝える
姿勢づくりとストレッチ
日常生活の中で、座って仕事をする時、歩いて移動している時等に「丹田・立腰」を意識した体の使い方をすると、運動していない時でも、体幹を鍛えることができ、呼吸が深くなり、血行が良くなることに繋がると言われています。
「丹田」とは、臍から指 3本下、 3本奥のあたりで、丹田を意識して体を動かすと、体幹部の筋肉を使うため運動効果が高まり、呼吸が深くなり、精神的に安定します。
骨盤を起こした「立腰」の姿勢は、運動効果に加え、内臓の働きが良くなり、気持の安定、集中力アップにもつながります。
首・肩・肩甲骨周りの筋肉をほぐして、3分間でリラックスしましょう。(図1)
深呼吸やマッサージ
自分を慈しむ気持ちで、深呼吸やマッサージをしましょう。各30秒でもOK(図2)
腹式呼吸、掌をこすり合わせます。両側の鎖骨辺りや丹田の周りをマッサージします。
その場でできる気分転換(足裏瞑想 等)
目を閉じ、頭の中を空っぽにして、自分の足裏のどの辺りに体重がかかっているか感じながら立ったり、その場でゆっくり足踏みしたりしてみましょう。肩・首の弛めも(図3)。
肩・首の弛めでは、頭を右に傾け右手を左耳の上に乗せます。左腕を後ろに組んで、左の耳と肩の距離を遠ざけます。
反対もします。「丹田と立腰」を意識した姿勢で行いましょう。
コロナ禍のつらさと対処の仕方
感染症の心配や不安だけでなく、同僚と一緒に昼食を食べたり、給湯室で立ち話したり、 仕事が終わってから飲みに行ったり等の機会がなくなり、ストレスから体調を崩す方も多い です。感染への不安に加え、コミュニケーションや人間関係の作りづらさから、心が落ち込みやすくなっているようです。
これは、脳が疲れて精神的に落ちていることが原因です。一番いいのはぐっすり眠ることです。
そのためには、適量の運動が効果的です。体を動かすとノルアドレナリンやセロトニンなどの脳内の神経伝達物質が増えますし、体力がつくことにより、できることの幅が広がります。適度に体が疲れると睡眠もとれやすくなります。
今まで通りのことはできませんが、「代わりにできること」「今しかできないこと」を考えると、良いかもしれません。
例えば、「家にこもって掃除したら、ピカピカで気持ちいい」 とか、「録りためていた番組を一気に視たら、満喫してスッキリした」等、新しい発見があるかもしれません。
小さな充実感や達成感が、自分の気持ちを前向きにしてくれます。
マスク生活でのコミュニケーションの工夫
マスク着用で「声が聞こえづらい」「語尾が分かりにくい」「表情や感情が伝わ りにくい」状況が続きます。
1声のトーンを上げてゆっくり話すこと、2アイコンタクトやうなずき、目の表情、身振り・手振りを心がけましょう。
令和2年 メンタルヘルスサポート隊 主催 講演会のまとめ
「働きづらさを抱えた方の課題とその対処について~上司・同僚間の心の交流のコツ~」
講師 産業医科大学 大学院医学研究科産業衛生学専攻医学部医学概論教室
教授 藤野昭宏 先生
令和2年 11 月21日(土)13:30~、
北九州市立子どもの館子どもホールにて、北九州市と北九州商工会議所の後援をいただき、講演会を開催しました。
藤野先生の講演会は 3 年連続で、当事者、家族、支援者、企業関係者等のリピーター参加の方も多く、質疑応答も活発に行われました。成人の発達障がい者の合併症やその割合、 就労のための課題等の後に「心の交流のための接し方」について、藤野先生ご自身が実際に、ご苦労や失敗の中の取組を通して感じられたことを話してくださいました。
「相手を理解することができる」 と思うことは傲慢だと気づくこと が必要。相手の話を邪魔せず、自分自身を正直に開示して、一人の 人間として聴くことが大切
相手の話を素直に感じ、素直に 感じたことを聴き返し、相手の心の鏡に徹すること。相手にと って、素直な自己への気づきとなり、心のつながりを実感することができる。
「いつ、何が、どこで、なぜ、どうして?」と尋問せず、「どんなふうに?」と聴 き、丁寧に寄り添い、相手のことばに着目して素直に感じたことを返す
・自己開示する ・批判しない ・心の実感を聴く
- とても参考になりました。先のことばかり考えてしまっていました。診断のことを聞けて良かったです。学校での対応と、医療、コミュニティ等、もっと知ることが大切だと思いました。(当事者)
- 中学生の息子なのであまり関係ないかなと最初は思っていたが、「心の交流のコツ」は、今すぐ実践できる内容で参加して良かったです。具体的な事例を交えてのお話は、わかりやすかったです。(家族)
- コミュニケーション能力、共感等、改めて学ぶことができ、日常に役立てたいと思いました。(家族)
- 傾聴の仕方について、鏡の役割をすることが勉強になりました。(支援者)
- 講義の内容についてはもちろんですが、質疑の際に大変実践的なお話をうかがうことができました。日々のやりとりの中で忘れがちなことに、改めて目を向ける貴重な機会となりました。(支援者)
- 人との交流において、我を出さず自分の意見を言わず、相手の話を聴き返すことをしてみようと感じました。 (企業関係者)
(株)グローバルケア、(一社)キャリアサポートクラブは、メンタルヘルスサポートに取り組んでいます。
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